【業界情報】市場規模4兆円、障がい福祉事業とは?①
障がい福祉専門というと良く、ニッチと言われることが多いのですが、実は市場規模4兆円と大きい市場です。そんな業界地図にもあまり取り上げられない障がい福祉事業について、市場規模、成長率や主な福祉事業形態とその収益性についてご説明しています。
~こんな方へオススメの記事です~
・障がい福祉事業への新規参入を検討している経営者
・障がい福祉業界の動向を知りたい方
・障がい福祉事業のフランチャイズの検討をしている方
~記事の概要~
・障がい福祉事業は市場規模4兆円超、障がい者率8.2%(CAGR約9.0%)
・主な障がい福祉事業の分類(児童生活、成人生活、成人就労支援の3グループ)
・各福祉事業の利益率について(概ね営業利益率は約10%)
1.障がい者市場の動向
「障がい福祉事業は市場規模4兆円超、年成長率約9.0%」
2022年時点では約990万人といわれ、日本総人口1億2,545万人に対する障がい者率は、約8.2%に当たります。
増加要因は、主に3つと言われています。
①平均寿命が長くなり、高齢による身体障がいを中心に障がいを持つことがあります。
下図のように、身体障害者の高齢者率は72.6%になっていることからも分かります。
②認知症、うつなどにより、精神疾患も増えています。
平均寿命が長くなり精神疾患に分類されるアルツハイマー型認知症などにより増加しています。また、労働環境の悪化や、コロナウイルスなど社会環境からのストレスから、全年齢でうつや、統合失調症などの精神疾患が増加しています。
③ 児童の発達障がいなどの定義の拡大があります。
これは、医学の小児科、児童精神科において「発達障害の診断基準」が再定義されました。自閉症を代表に、発達障がいの軽症といわれるものを診断することになり、結果、上記の統計上増加しているように見える要因の一つになっています。
また、実際の増加もあるとされています。スマホなどの過度な視聴により睡眠の質の低下、農薬や添加物といった化学物質の過剰摂取、さまざまなストレスなども影響も示唆されています。
個人的には、オーソモレキュラー療法や、医師の藤川徳美先生などが仰っている質的栄養失調によるうつなどの増加はあるのかと考えています。ざっくり申し上げると現代の食事では糖質が多くカロリーはとっているが、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどは不足しており結果ストレスに耐えられない身体になっているというものです。栄養面でのアプローチなどで改善されれば幸いです。
2.市場規模は約4兆円
下図が障がい福祉分野の国の予算額の推移です。障がい福祉事業の9割は税金、そしてその半分がこの国の予算になります。(残りは都道府県と、市区町村支払いです)
よって、ざっくりですが(下図の予算額×2倍)÷0.9より、障がい福祉事業全体の市場規模は約4兆円と言われています。成長率は御覧の通り急成長しており、年成長率CAGRは約9.0%程度になります。
参考までに、介護市場は約10~14兆円市場と言われます。
2020年ベースでホームセンター業界4兆円、飲料業界3.8兆円、ホテル業界が2.8兆円、葬儀業界2兆円程度のようです。
大手企業の進出基準に市場1兆円というのも良く聞く規模感です。障がい福祉事業規模の4兆円というのはかなり規模が大きいと言えるのではないでしょうか。
3.障がい福祉事業の分類
「児童生活、成人生活、成人就労支援の3グループ」
障がい福祉事業とひとくくりに言っても、業態は上記のようにたくさんあります。
一般の方には、なじみがなくイメージが沸きづらいかと思いますので、筆者の感覚でグルーピングして、説明いたします。(玄人の方には雑な表現と言われそうなのですが、ご容赦ください。)
障がい福祉事業は、主に児童向けの生活支援、成人向けの生活支援、成人向けの就職支援の3つのグループに分かれます。
生活支援は、施設やグループホームや居宅への支援と日中の活動や学校の後の塾のような支援があります。就職支援は、資格やスキルを学ぶ塾のような就労移行支援や、一般企業への就職は難しいが、実際に雇用契約をして就業を行う就労支援A型やB型があります。
イメージを図にまとめると次のようになります。
今回は以上です。
次回は、注目されるグループホーム、放デイ、就労系の3つ事業について収益性や、概要を説明していきます。
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